オンダくん
トイレットペーパーは水につけると繊維がほどけて溶けていくけど、ティッシュは形が崩れない。だからティッシュは水道に流してはいけない。……というのを、僕はオンダくんに教わった。
オンダくんは小学4年くらいのときのクラスメイトで、名前の順が近いから掃除当番が一緒だった。掃除中に教えてくれたのだ。トイレの流しを使って、実演してくれた。
僕は学校のお勉強がとてもできる子どもだったのに、そういう生活に関わることや人間関係のイロハを学ぶのが苦手で、同級生によく「信じられない」と驚かれた。ティッシュとトイレットペーパーが別のものだなんて、考えもしなかった。
最近思うのは、僕のような人は割と多いのだということ。色んなことが苦手でも暮らしていけるだけの環境が今はあるから。苦手を隠したり、誤魔化し続けて生きるのは辛いので、元気なときには自己開示していきたい。成長を目指すかどうかは、もっと元気なときに考えよう。
オンダくんはプラモデルが好きで、親の影響で競馬に詳しいような、そういうタイプの男の子だった。今でもきっと、生活力やら社交性では敵わないんだろうなと思う。「こんなことも知らないの?」と言いながら、実演してくれそうだ。