恥ずかしい走り方

 子どもの頃、変な走り方をしていて周囲に笑われていた時期がある。休み時間に鬼ごっこで校舎の外を走っては、それを見た知らない上級生や下級生からも「なんだあれ」と笑われていた。その時は恥ずかしいと思わず、僕が編み出した新しい走り方のほうが速いのにと思っていた。実際は速くなんかなくて、自分が風を感じやすいから速い気になっていただけだった。アラレちゃんみたいな走り方と言えば伝わる人には伝わるかもしれない。
 このことを大人になってからたまに思い出す。人一倍、恥という感情に苦しんだ子供時代の、笑われても強く居られた数少ない部分。
 
 今でも、大人なのに笑われてしまったと恥じることがある。笑われてしまうかもと肩を丸めて歩く。一生続くのかもしれない。
 
 経験で分かるようになったこともある。それは、自分を笑う人が大勢いる恥ずかしさも、一緒に笑ってくれる一人がすべて消すことができるということ。誰かにとってのその一人になり続けることは難しいけど、頭が良い日や心が優しい日はできることもある。