洗濯と風

家事の中で一番洗濯が好きだ。
洗濯機に入れ、水量を決めて洗剤を入れる。脱水まで終わったらシワを伸ばしながらハンガーに掛けて、晴れていれば外に掛ける。特に雨が続いたあとの晴れの日の朝は格別で、すべての工程が幸せな気持ちになる。
前に住んでいた家から引っ越すとき、覚えておこうと思って何枚か写真を撮った。風呂上がりに座って撮った夜のカーテン。机の上の一輪挿し(という名のジャムの瓶)、買い替える前の鍋。そして、洗濯物が晴れた日の窓で風に揺れている様子。やっぱり陽の光と洗濯物がある風景が好きらしい。
ぬいつぎでぬいぐるみの簡易清掃をすることにして、実際に家でぬいぐるみを洗ってみて、陽の光の下で干せないことが歯がゆい。いや、干せないことはないけど長時間は無理だ。日に焼けて退色してしまうし、生地も傷んでしまう。
それならばと風のことを考えることにした。洗濯物を輝かせるものは陽の光だけではなくて、風もある。いわゆる通気乾燥というやつだ。風を通して水分を取る。
清潔さはもちろん、洗濯という行為には気持ちの良さがとても大事で、その気持ちの良さが感じられる場所にしたいと思う。