新しい面白さ
僕はぬいつぎが開店したあと、いきなりたくさんのお客さんが来て、常に賑わう話題の人気店になるとは思ってはいないけれど、ぬいつぎがやろうとしていることは凄く面白いと思っている。
ぬいぐるみ好きを自称する人の中にもいくつかのタイプがある。例えば、自分の家のぬいぐるみを「いる」と言う人と「ある」と言う人がいて、ぬいぐるみとの関係性が微妙に違う。これは「いる」派の人の方が愛情が深いとか、「ある」派の人がぬいぐるみをモノ扱いしているというような単純な話ではない。ぬいぐるみに話しかけるかどうか、名前を付けるかどうかも人によって違う。
商品として全く同じぬいぐるみが、「ある」派の持ち主に名前を付けられて話しかけられながら存在していることもあれば、「いる」派の人に家の隅に飾られて眺める対象として存在していることもある。これらのぬいぐるみを別物として考えて、ぬいぐるみの歴史、持ち主の人生をそれぞれ特別なものとして扱おうというのが、ぬいつぎがやりたいこと。
かわいいぬいぐるみ大集合!のお店でも、僕のお気に入りのぬいぐるみはコレ!のお店でもない。ぬいぐるみを通した人間讃歌だ。
……人間讃歌はちょっと近づきがたいかもしれないけど、そういう、新しい面白さを提案する店のつもりです。大人気店になる前に来てくださいね。