ぺたのすけ

詳しくは開業後に店で出したいと思っているが、ぬいぐるみを手放す方から話を聞くことができて、またひとつ心が震えている。
そのぬいぐるみはお子さんへのプレゼントで、ひとりの人が大人になるまで、その成長を見守ったとのこと。そういう役割を与えられたぬいぐるみはこの世に無数にあるんだろうけど、ひとつひとつは全く別のものだ。
今回話を聞いたなかで考えさせられたのは、ぬいぐるみはプレゼントをされた人(子供)だけではなくて、子供とぬいぐるみが一緒にいるのをずっと見てきた人(親)にとっても、思い出深いものになるということ。「いつも一緒にいたよね」と、覚えているのはむしろ大人の方ということもあり得る。
僕は小さい頃、小さな恐竜のぬいぐるみをかわいがっていて、手が平たくてペンギンみたいなので「ぺたのすけ」と名付けていた。高校生くらいになったらぺたのすけはどこかにしまい込んでしまって、次にちゃんと見たのは社会人になって帰省したときだった。親が捨てずに置いておいたのだ。とは言っても親にとって愛着がある様子でもなく、「ぬいぐるみ屋を始めるなら持っていったら」と言っていた。「ぺたのすけ」という名前は覚えていたけど。