Жизнь одна.
また、自分がやる書店のアイデアが湧いてきて、これまでの「思いついたけどやらない」という状態の繰り返しから抜け出さないといけないなと思う気持ちも募り、具体的な一歩、不動産屋に行って物件を見ていくことにした。これまでもいい加減に考えていたわけじゃないけど、どこかで必然のタイミングを探しているような感じで、受け身な部分もあったと思う。
本屋フォッグという名前で本を売ってみて、天賦の商才も、並外れた開拓者気質も自分にはなさそうだということと、それらが無くてもやりたいならやるべきだし、やったって別に良いということは分かった。「書店を始めてみたけど、このままじゃ数カ月後に潰れるかも……」とポストしながら営業している新しい書店も知っているし、そんな「潰れるかも」しれないお店だって、写真で見る限り「何回やっても僕にはこんな良い感じの店は作れなそう」と思うのだ。それならひと目で「だめだこりゃ」と思われるようはお店でも、開いて営業しながらジタバタしてみる方が楽しいかもしれない。
仕事をやめてロシア語の学校に通い始めたとき、その決定をロシア語のネイティブの先生に話したら「いいじゃない。人生は一度だものね」と言われた。本屋フォッグでも知り合いにそう言われりする。「こんなんで上手く行くの?」と思われる店を始めて心配される期間があってもいいんじゃない? 人生は一度だからね。