感情を計算に入れる
どちらの場合も元手と収益、短期的元手と長期的収益についてちゃんと考えたほうがいいと言った。長期の収益を計算するときは、必ず感情を計算に入れなくちゃダメだからねとも言う。
引用元:『1984年に生まれて』郝景芳(中央公論新社)
最近読んだ小説の中に出てきた、道に迷う主人公が優秀な友達と話す場面。収益、つまりどれくらい儲かるかを考えるとき、自分が嬉しいこと、幸せな気持ちになることもその「儲け」に含めて判断をするべきだという。
感情の長期的収益を計算するのは難しい。5年、10年経てば幸せの基準も変わるし、自分を取り巻く環境も変わる。でも、世界の予測不可能性に比べると、自分の幸せの形はまだ予測しやすいかもしれない。今「一生許せない」と思っていることは、許せるようになることはあっても、大好きになる可能性は低いだろう。魂を売らないように生きようとすることはできるかもしれない。
みんながどうかは分からない(そして知りたい)けれど、僕は正解は全然分からないけど不正解は分かる気がする。窮屈にならない程度に、自分にとっての不正解を避けて、未来の幸せの種かもしれないものを拾っていけたらいいなと思う。