はたらくことは、生きること
商売が上手いというのは、どういうことを指すんだろう。市場のニーズを読む力があるとか、人が欲しくなるもの、入りたくなる場所を作るのが上手いとか、利益を生む構造を作れるとか、そういうことなんだろうとは思うけど、もっと漠然と、商売やビジネスというものが、自分の目標の達成手段として上位にあることなのかもしれない。そう考えるきっかけがあった。
オンラインで話す友人のひとりに、アニメーションスタジオを経営している人がいる。その人の会社は100人くらいで、本人の年齢は40歳くらいだろうか。その人と今日、会社のことを聞いたら返答が面白かった。「市場とか……世界を知ることが面白い。お金が無いのはもちろんキツいけど、貧しさは楽しさでもある。何か面白いこと、新しい人、そういうものと出会ったり……。僕の町には、ここに住む人のための雇用がない。無いなら、作っちゃえって思った。自分がやりたい仕事、つくりたい社会がないなら、自分で作る。ああ、でも別に人のためにとかそういうことじゃなくて、自分にとって心地よくて嬉しい環境を作りたいからしてるってことだけど」。
この話が出たのは、僕が彼に、フリースクールを作りたいと思っているという話をした後だった。彼はロシア人でロシア語で話していたから本当の正確なニュアンスは取れていないかもしれないけど、大意なこんな感じ。かっこいいし、共感もする。僕も同じような気持ちでいるけど、実際にやっている人の言葉は重い。
これ以外にも、彼の子育てに対する思いも聞いた(幼い娘がいる)。それも良い話だったから、いつか書こうと思う。